京都に隠れた移築建造物の魅力とは

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京都に隠れた移築建造物の魅力とは

 京都には、二条城や彦根城のような有名な城がある一方で、身近な場所にも歴史を感じる移築建造物がたくさん残っています

特に、丹波地方には多くの移築建造物が存在します

そこで、城の名残りを訪ねる旅に出かけてみました

 まず最初に訪れたのは、京都府亀岡市にある千代川小学校

ここには、瓦ぶきの堂々とした正門があります

この門は、かつて亀山城(現在の亀岡市)にあった新御殿の門として建てられ、明治時代に千代川に移築されました

その形は江戸時代末期のもので、まるで当時の藩主が行き来した場所にいるかのような気分になれます

 実は、この門の左右にはかつて門番がいた部屋があり、長い間児童クラブとして使われていたそうです

現在は安全協力員の待機所になっており、児童からのお礼の色紙が飾られているのが印象的でした

千代川小学校の校長、中澤博幸さんは「藩主が出入りした門を使って登下校する児童は、きっと誇らしいに違いありません」と微笑みます

 さらに、亀岡には亀山城に関連する移築建造物が10以上も残っていると、亀岡市文化資料館の樋口隆久学芸員が教えてくれました

例えば、保津町にある集会所の玄関部分は1882年に移築されてきたもので、藩主の駕籠を横付けできるように広く作られています

 また、亀山藩邸絵図を元に移築された建物もあり、近年になってそのつながりが明らかになっています

そして、園部城(南丹市)でも城跡に現存する櫓門や多くの移築建造物が残っており、安楽寺の境内にある櫓は園部城の太鼓櫓だとされています

 園部城は、日本で最後に藩が建設した城として知られ、1868年に完成間もなく廃城となり、71年に移築されました

住職の西河雅人さんによると、当時の信徒が寄付を募ってその櫓を購入したそうです

櫓では昔、報恩講の行事を告げるために太鼓が打たれていたとのこと

 京都には、長浜市にある琵琶湖・竹生島の宝厳寺の唐門など、有名な城の遺構も存在しますが、江戸時代には200を超える藩があったにもかかわらず、多くの城郭建築が廃城令により消滅してしまいました

『移築建造物』は、その歴史を物語る貴重な文化遺産です

しかし、販売された建物の多くは文化財指定を受けておらず、老朽化が進んで姿を消しているものもあります

北川央名誉館長は、この貴重な歴史的遺構を再評価し、適切な保存方法を考える必要があると訴えています

ピックアップ解説

移築建造物とは、元々別の場所にあった建物を現在地に移動して再建したものを指します。京都やその周辺には、このような移築建造物が数多く存在し、歴史的な価値があります。例えば、亀山城の門が千代川小学校に移築されたことにより、児童たちが歴史を身近に感じることができます。このような建物のおかげで、京都の歴史を学ぶ手助けになるため、市民である私たちもその魅力を知り、守っていくことが重要です。

キーワード解説

  • 文化財とは、国や地域の歴史や文化を示す重要な物や建物のことを指します。
  • 藩とは、江戸時代に日本に存在した地方の統治単位で、藩主がその土地を治めていました。
  • 櫓とは、城や寺院などに設けらた見張り台や建物のことで、戦の際には敵の動きを見張るために使われました。

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