京都市の自動販売機周辺に増えるごみ問題とその背景

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京都市内の観光地や繁華街では、自動販売機の横に設置されているリサイクルボックスに一般のごみが捨てられてしまう問題が目立っています

自動販売機の周りに散乱するごみは、見た目にも悪いだけでなく、周囲の人たちの気持ちにも影響を与えてしまいますよね

実は、京都市では飲料メーカーに対してリサイクルボックスの設置が義務付けられていますが、収集が間に合わないとの悲しい声も聞こえてきます

例えば、4月6日の桜が満開の時期に、東山区の自販機の回収箱はプラスチック製のドリンク容器やファストフード店の紙袋でいっぱいになり、路上にごみが散らかっていました

また、約100メートル離れた場所では、満杯の回収箱の裏に隠すようにして別の回収箱が設置されていましたが、それでも新しいごみが捨てられ、周囲がごみ山になってしまったのです

ある観光に来ていたドイツ人女性は「もっとごみ箱を置いてほしい」とコメントし、地元の男性も「昔はもっとごみ箱があったのに」と不満を述べていました

市のまち美化推進課によると、2023年12月に伏見区で行った調査では、66カ所の回収箱のうち約2割が設置されていないとのことです

これは、2万を超える自販機のうち、約4千基が未設置という状況に直結しています

なぜそれほど多くの回収箱が設置されていないのでしょうか?飲料メーカーの社員によれば、観光地では販売量を上回る膨大な量のごみが出ており、そのために撤去せざるを得ないビジネス上の悩みがあるようです

最近ではオーバーツーリズムの影響もあり、特に祇園のような人気観光地ではその問題が深刻化しています

さらに、一般のごみが回収箱に混入してしまうことも課題です

全国清涼飲料連合会によると、18年の調査では、回収箱の約30%が一般ごみで占められていました

最近では、駅やコンビニでもごみ箱を撤去する流れが進んでいます

それに伴い、飲料メーカーは「回収が困難になる」と話しています

こうした課題の解決策の一つとして、下向きの投入口を持つ回収箱の開発が進められています

この新しい形状の回収箱では、ごみの混入が減り、効果が表れています

22年からはこの新型回収箱の設置が進められています

消費者団体「コンシューマーズ京都」の事務局長も、「飲料メーカーだけではなく、社会全体でごみを減らすことを考えていかなければならない」と提言しています

今後、飲料メーカー、販売店、鉄道事業者、行政、消費者が協力し、一緒にこの問題に向き合うことが必要です

ピックアップ解説

リサイクルボックスとは、ペットボトルや缶など、特定のリサイクル資源を集めるために設置された回収箱のことです。日本では、ペットボトルの回収は非常に大切な環境保護の一環だとされています。しかし、たくさんの観光客が訪れる京都市では、観光とリサイクルの板挟みになっているのが現状です。この問題を解決するためには、リサイクルボックスの設置数を増やすだけでなく、来る人たちに正しいごみの捨て方を伝え、意識を高めることも大事です。

キーワード解説

  • リサイクルボックスとは、ペットボトルや缶を集めるために設置された回収用のボックスです。適切に使えば、環境を守ることができます。
  • オーバーツーリズムとは、ある観光地に訪れる観光客があまりにも多すぎて、その地域の生活や環境に影響を与える現象のことです。
  • まち美化推進課とは、京都市の部門の一つで、街をよりきれいにするための取り組みを進める部署のことです。

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