京都の生徒が主体となる校則見直しの動き

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京都の生徒が主体となる校則見直しの動き

最近、京都や滋賀の中学校や高校で、生徒が自らの手で校則を見直す動きが活発になっています

これは、生徒が自由に意見を表し、納得できるルールを話し合って決める「自分たちの学校作り」の一環です

私たちが知っておくべきは、これはただの校則変更ではなく、民主主義教育の重要な実践となっているということです

成長過程にある子どもたちが意見を持ち、行動することは、自らの思考力を養うきっかけにもつながります

日本全国で進行中のこの流れは、特に「ブラック校則」と呼ばれる、過度な規制が批判され始めたことがきっかけです

これに応じて、文部科学省は生徒指導の手引き「生徒指導提要」を改訂しました

2023年からは「こども基本法」が施行され、子どもたちが自身の意見を表明する権利が明文化されました

京都では、校則見直しの具体例が数多く見受けられます

たとえば、靴下や髪をまとめるゴムの色の制限がなくなったり、クラブ活動の練習着で登校することが認められるようになりました

また、府立桃山高では、生徒会の提案でアイスクリームの自動販売機が設置されることにも成功しています

さらに、“LGBTQ”や“発達障害”を持つ生徒がいる府立清明高では、制服の着用、化粧、染髪に関する規則が緩和され、教員や保護者も議論に加わるようになりました

このような改革は、生徒の多様性を尊重することが重要であり、学校への信頼感を高める助けにもなります

宇治市では、ある中学3年生が自分の学校の校則の文書化を求め、市議会に請願を出しました

彼女は、髪を染めて登校した際に、禁止の理由が示されなかったことに疑問を持ちました

しかし、市議会は「政治介入」などの理由で反対し、不採択となってしまいました

それでも、生徒指導提要は校則の公開を推奨しており、教育委員会や学校が生徒の声をしっかりパートナーとして利用する必要があると感じます

また、最近の民法改正により成人年齢が18歳に引き下げられたことで、中高生に対する主権者教育の重要性がさらに高まっています

選挙制度の理解だけでなく、自分たちの日常的な問題にどう向き合うかを考える経験は、とても貴重です

このような校則の見直しは、まさにそのテーマにぴったりなのです

ピックアップ解説

「校則」とは、学校が定めるルールのことです。一般的には、服装や行動に関する基準が含まれます。例えば、制服の着用や髪の色、持ち物の規制などが挙げられ、時には生徒の自由を奪ってしまうことがあります。最近、全国で「ブラック校則」と呼ばれる、過度に厳しい規則の見直しが進んでおり、特にこの問題に対処するため、子どもたちが自分たちの意見を発表する機会が増えています。これは、学校教育における民主主義の実践にもつながっています。

キーワード解説

  • ブラック校則とは、過度に生徒の自由を制限する厳しすぎる校則のことを指します。例えば、髪の色や服装に関する細かい規制がされており、生徒の自主性や個性を奪うことが批判されています。
  • 主権者教育とは、子どもたちが民主主義の重要性を学び、主体的に意見を持ち、行動することを支援する教育です。生徒たちが自分の考えを表現し、社会に参与する力を育てることが目的です。
  • こども基本法とは、全ての子どもの権利を保障し、特に意見を表明する権利を明記した法律です。子どもたちが自分の考えや感情を伝え、教育に参画することを促進することが目指されている。

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