
1966年の静岡県で起きた一家4人殺害事件に関連して、昨年、再審無罪が確定した袴田巌さん(89)のドキュメンタリー映画「拳と祈り」の上映会が、京都府亀岡市のガレリアかめおかで開催されました
この日は特別に姉のひで子さん(92)が講演を行い、多くの観客に心に響くメッセージを届けました
ひで子さんは、約47年にも及ぶ獄中生活で彼が抱えた拘禁症状の重さを告白
「冤罪(えんざい)被害に苦しむ人は数多く存在します
私たちは、彼らを救うために行動する必要があります」と強く訴えました
2部構成の上映会の中、彼女がマイクを手にしたとき、約260人の観客から大きな拍手を受けました
袴田さんは1968年に一審で死刑判決を受け、1980年には確定死刑囚となった経歴を持ちます
長い拘禁生活の影響で、今も「妄想の世界に入ることがある」と語るひで子さんは、「独房で人間とも扱われず、ただ殺されるのを待つ日々でした
精神を病むのは自然なことでしょう」と話し、冤罪を生むことになった警察や検察、裁判所について再度批判しました
弟の無実を信じ、ひたむきに闘い続けた理由は、彼女が母の無念を知っていたからです
「巌は大丈夫だろうか」と案じながら亡くなった母に思いを寄せ、「私がこの問題に立ち向かうしかないと思いました」と強い使命感を語りました
現在、刑事訴訟法の再審規定(再審法)改正についての議論が進む中、ひで子さんは「早急に再審法を見直してもらわないと困ります
巌の47年間を無駄にせず、ぜひ改善してほしい」と力を込めて話しました
上映会は、日本国民救援会口丹支部や亀岡映画センターなどが協力して開催されました
冤罪とは、無実の人が罪を犯したとされることです。日本では冤罪事件が多く、社会問題として注目されています。実際に無実を訴える人々がいる一方、様々な制度や法律の未整備がこうした問題を引き起こす要因となっています。
- 冤罪とは、誰かが無実なのに、犯罪者として誤って裁かれることをいいます。これは精神的、社会的な問題を引き起こし、被害者は生涯にわたって苦しむことになります。
- 再審とは、すでに判決が出た事件に再び裁判を行い、新たな証拠や判断で再評価することを指します。これによって、無実の人が救済される可能性があります。
- 拘禁症状とは、長期間の拘置生活によって心や体において現れるさまざまな問題や症状のことです。孤独感や不安、精神的な病などがここに含まれます。
前の記事: « 下京区で交わされる看護の声と改善の必要性
次の記事: 伏見区醍醐小で開催された拉致問題講演会の模様 »
新着記事