
京都府南丹市の農芸高等学校で学ぶ野々村光翔(ののむら・ひろと)さん(18)は、造園コースの3年生です
彼は先日行われた「若年者ものづくり競技大会」で銀賞を受賞し、さらに技能五輪全国大会にも挑戦することになりました
造園の大会では、限られたスペースに指示通りの庭を再現するという課題が与えられます
実際の大会では、石垣がきれいに積まれているか、生け垣に使う竹がまっすぐに立っているか、などが細かくチェックされるのです
そのため、高い技術力が求められます
また、安全性や工程の進め方も評価されます
光翔さんは、造園を仕事にしている父親に憧れ、高校では父が通った農芸高を選びました
中学時代から父を手伝い、現場での経験を積んできた光翔さんは、8月の「若年者ものづくり競技大会」において、3年連続で個人戦に出場し、銀賞を獲得しました
ただ、目標だった金賞を逃したことに悔しい思いをしています
石を割る作業で手間取ってしまったことで、時間をロスしたと自分を振り返っています
この悔しさをバネに、夏休みも努力を重ねました
10月には愛知県での技能五輪に、府代表として出場します
クラスメートの錦織暉(にしきおり・ひかる)さん(17)と2人での挑戦です
プロの職人たちとも競い合う中で、「周りの高いレベルの庭と対決したい」と意気込んでいます
大会当日は、縦3・5メートル、横5メートルの庭を2人でおよそ10時間かけて造る予定です
彼らは石垣を積んだり、木を植えたりしながら、役割を分担し、タイムマネジメントも大事にしたいと考えています
また、農芸高の一室では、技能五輪に向けて、同じ大きさの庭を練習用に作り上げています
教員や職人のアドバイスを受けながら、細部の見栄えに気を配る光翔さん
「感謝の気持ちを忘れず、結果で恩返ししたい」と話しています
光翔さんは「石や樹木などの自然素材を使って、素敵な景色を創るのが造園の魅力」と語ります
特に、サクラやサルスベリといった桃色の花を咲かせる木が好きで、「いつかそういった木がある庭を作りたい」と夢を語ります
庭だけでなく、自分自身の将来も、少しずつ創り上げているのです
造園技術は、庭を美しく整えるだけでなく、自然素材を活かして景色を創り出すものです。特に京都では、伝統的な日本庭園が多く存在し、その技術は長い歴史を持っているんですよ。造園の職人たちは、木の種類や配置、植物の成長を考慮して庭を設計します。こういった知識が次世代の造園技術を支えているのです。
- 造園とは、庭を作る技術や藝術のことです。植物や石、土などを使って、自然と調和した美しい空間を作ることが求められます。
- 技能五輪とは、若い技術者がその技術を競い合う大会のことです。全国の選手たちが集まり、様々な職業の技術を浴びせかけ、金メダルを目指します。
- 若年者ものづくり競技大会とは、若い学生たちが自分の技術を発表し、競い合うイベントです。全国各地で開催されており、技術を磨く良い機会となります。
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