
今年は「天下の悪法」とも呼ばれた治安維持法が制定されてから100年を迎えます
その記念に、「京都治安維持法研究会」のメンバーたちが、出版や講演を通じてこの法の影響や思想弾圧の実態について知ってもらおうと奮闘しています
彼らは「歴史から学ぶことが大切だ」と、過去の教訓を伝える必要性を強調しています
元府議の原田完さんは、京都市中京区に住む75歳で、母の長谷川寿子さんが共産党員として逮捕され、厳しい拷問を受けた経験を持っています
治安維持法のもとで、彼女はさまざまな過酷な状況に直面しました
例えば、19歳の時に施行されたこの法律の影響で、彼女は4回も逮捕され、最終的には6年の実刑判決を受けました
その間、彼女は命の危険にさらされながらも、労働運動に関わる勇気を持ち続けました
原田さんは、「天皇制を否定する者は殺しても構わないという社会があった」とし、そのような冷酷な現実に怒りを表明しています
彼は治安維持法のもとでの弾圧を明らかにするため、京都治安維持法研究会の活動を通じて、戦時中の資料を調査し、被害者名簿の作成を進めています
実際に、京都での被害者の数は1000人を超え、特に大学の自由な雰囲気があった京都では学生が多く狙われたことも、彼女の体験から伺えます
治安維持法下の歴史を知ろう
治安維持法に関しては、戦後、責任を問われなかった政治家や官僚たちがいるため、詳細な検証が進んでこなかったと原田さんは考えています
「一人の命が失われることすら無視されてしまう歴史は繰り返さないために、私たちにはその事実を伝える責任がある」と述べています
出版と講演会のお知らせ
研究会は、京都での弾圧の歴史を紹介する書籍「レジスタントの京都 治安維持法下の青春」を出版しました
また、9月27日午後1時半から、京都市中京区にあるウィングス京都で、小樽商科大名誉教授の荻野富士夫さんを招いた講演会が開かれます
このイベントは無料で参加でき、興味がある方はぜひ足を運んでみてください
連絡先
講演会についての問い合わせは、治安維持法100年企画実行委員会(075-801-3915)までお願いします
治安維持法とは、1925年に制定された法律で、国家にとって脅威とみなされる思想や思想家を取り締まるためのものでした。この法律では、国民が自由に意見を言うことが制限され、多くの人々が苦しめられました。特に共産党員や労働運動に関わっていた学生がターゲットになりました。京都は、自由な学風があったため、多くの人がこの法律によって苦しむことになったのです。
- 治安維持法とは、1925年に日本で制定された法律で、反政府的な活動や思想を持つ者を取り締まるために作られました。この法律により、多くの人が不当に逮捕されたり、自由を奪われたりしました。
- 思想弾圧とは、特定の考え方や信念を持つ人々を抑圧する行為のことです。このような行為は、言論の自由を脅かし、個人の権利を侵害します。歴史上、多くの国で見られました。
- 政治家とは、政府や国家に関わる仕事をする人のことを指します。彼らは法律を作ったり、政策を決定したりする重要な役割を担っています。政治家は市民の利益を代表することが期待されています。
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