
今年も京都の亀岡市にある穴太寺で、お盆の伝統行事「オショライサン」が行われました
この行事は、先祖の精霊を迎える大切な儀式で、毎年多くの人々が集まっています
早朝から訪れる参詣者は、先祖の名前を書いた水塔婆を手にし、精霊が帰るためのホオズキを購入します
穴太寺は西国三十三所の第21番札所であり、ここに口丹波の精霊が集まるとされています
宗派を超えて、多くの人々が先祖の霊を迎えに訪れます
特に初盆から3年間は、より多くの地域から人々が集まり、先祖を敬う姿が見られます
この日は、午前5時前に開門されるや否や、多くの参詣者が現れました
涼しい朝の空気の中、先祖の名を水塔婆に書いてもらうために、行列ができました
参詣者たちは、お堂に納めた水塔婆にシキビの枝で水をかけて供養しました
また、新仏の家ではさらに1枚の水塔婆を書いてもらい、大事に持ち帰るという光景がありました
境内には、だいだい色の実をつけたホオズキを並べた店があり、午前中にはすぐに売り切れてしまいました
店主によると以前は数店あったものの、現在は1店だけとなってしまったそうです
今年のホオズキは市内で調達できず、九州から仕入れたというお話も聞きました
最後に、故人を思い出しながら訪れた市内の69歳の男性は「しきたりが分からず親戚や近所の人に聞いて来た
兄にできることはしてやりたい」と感慨深げに話していました
そんな深い思いが伝わる「オショライサン」、京都の伝統をまた一つ感じることができました
ホオズキとは、夏に実をつける植物で、見るからにかぼちゃに似た形をしています。日本では、お盆の時期に先祖の霊を迎えるための供物として使われます。特に、京都では「オショライサン」という行事でホオズキを用いる伝統があり、精霊がお帰りになるための重要な役割を果たします。ホオズキは地元のものが少なくなってきており、今年は遠くの九州からの仕入れになってしまったという話もありますが、供養のために多くの人々がこの植物を手に入れようと訪れます。
- 口丹波とは、京都府亀岡市の一部で、栄えた地域の一つです。
- 水塔婆とは、仏教の行事で用いられる、先祖のための供物の一つです。
- シキビとは、供養に使うもので、神聖な木の枝です。
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