木津川市の地域で進む多文化共生と防災教育

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木津川市の地域で進む多文化共生と防災教育

 昨年の元日、能登半島地震が発生し、京都府木津川市に住むベトナム出身のホーティ・フオンさん(23)はその恐ろしさを初めて体感しました

フオンさんは「母国には大きな地震はほとんどなく、揺れを感じてすぐに会社に連絡しました」と振り返ります

地震が少ない国から来た外国人にとって、地震時の行動や避難方法はほとんど知られていないことが多いのです



 例えば、八幡市にある公民館では日本語教室が開かれており、参加者は「『避難所』は知っているけれど、具体的にどういう場所かわからない」と話していました

また、訓練で緊急地震速報を受け取ったものの、その意味が分からずパニックになってしまったとも言っています

地震の際に「どうすればいいか」と尋ねると「とりあえず家に閉じ込めておく」と答える人もいました



 総務省のデータによると、外国人が千人以上住む市区町村での外国人増加率は、八幡市が5位、木津川市が6位、久御山町が18位にランクインしています

このように、京都府南部では多くの外国人住民が増加しており、彼らに向けた避難訓練や地震に関する知識を広めることが急務となっています



 八幡市にある水中ポンプメーカーの「鶴見製作所京都工場」では、2023年からベトナム出身者向けの避難訓練が始まりました

工場で働く約50人は、UR男山団地に居住しています

この工場では、居住エリアごとに9班に分かれ、それぞれに「防災リーダー」を設置し、訓練を行っているのです

リーダーは、日本語検定の合格者や防災士からの研修を受けた人が選ばれています



 訓練では、班ごとに定めた地域内の集合場所で点呼を取り、そこで事前に決めた避難ルートに従って避難所に向かいます

数年でメンバーは変わりますが、リーダーは常にメンバーの名前や住所を把握し、新参者にどこに集まるのかを教えています

八幡市やJICA関西と提携して、今後も訓練や研修を行うことが予定されています



 同社で海外人材の育成を担当する山本和子課長は「地震で避難できなかった外国人の話を聞き、心を痛めています

自分を守る力をつけることが大事であり、地域の人も助けられる存在になってほしいです」と話しています



 さらに、今年4月に施行された省令改正により、特定技能外国人を受け入れる事業所は、多文化共生施策に関する「協力確認書」を自治体に提出しなければならなくなりました

これまでは小規模事業所との連携が難しかったのですが、確認書を通じて外国人住民に必要な情報がより届きやすくなると期待されています

ピックアップ解説

「防災リーダー」とは、地域の防災訓練の際にリーダーシップを発揮する人のことです。特に外国人住民が増える中で、言葉の壁や文化の違いが障害となることがあります。そのため、リーダーは日本語が得意で、災害時の知識もしっかり持っていることが求められます。このようなリーダーの存在が、災害時のスムーズな避難や情報伝達に大きな力を発揮します。地域の住民全員が安全に避難できるよう、多くの人がこの役割を担うことが期待されています。

キーワード解説

  • 防災とは、災害が起こる前に行う対策や準備のことです。例えば、避難経路を確認したり、必要な物を用意したりすることが含まれます。
  • 防災士とは、さまざまな災害から人々を守るために、専門的な知識を持っている人のことです。災害時に正しい行動を取れるよう、研修を受けています。
  • 多文化共生とは、異なる文化を持つ人々が共に生活し、互いを尊重し合うことです。これにより、地域の活力が増し、トラブルを減らすことができます。

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