
京都府宇治市には、私たちが誇る世界遺産、平等院があります
ここで毎年3月2日には、藤原頼通をしのぶ法要「関白忌」が行われます
この法要は、頼通が平等院を創建したことを記念している大切な行事です
平安時代の歴史に思いを馳せながら、訪れる人たちも多いことでしょう
今年の関白忌では、国宝の「鳳凰堂」に平等院の住職をはじめ、地元の寺の僧侶たちが集まりました
僧侶たちは、色鮮やかな装束を身にまとい、堂内でお経を唱えながら、はすの花びらをかたどった紙をまく「散華」を行いました
この光景は、とても厳かで、参加した人々にも特別な感動を与えました
関白忌は、国宝の鳳凰堂内で唯一行われる法要で、その周囲では多くの人が法要の様子をカメラに収めています
平等院の住職、神居文彰さんは、「戦争や災害が起きる現代において、より良い社会への新しい芽吹きが起こることを祈りました」と心から語りました
春の訪れとともに、新たな希望が芽生えるよう願いたいですね
ピックアップ解説
「散華」とは、法要などで花びらをまく伝統行事のことを指します。平安時代から続くこの儀式は、浄土思想と深く結びついています。浄土思想とは、極楽浄土という理想の世界に生まれ変わることを願う信仰のスタイルです。散華を用いて、出席する僧侶たちは、願いを込めて花びらをまくことで、参列者や観客にもその思いを届けます。このような伝統行事が今も続いていることは、京都の文化の深さを感じさせます。
キーワード解説
- 浄土思想とは、仏教の教えに基づいて極楽浄土という理想の世界を目指す考え方のことです。信者は、阿弥陀仏を信じて、その救いを願います。
- 平安時代とは、日本の歴史の一時期で、794年から1185年までの約400年間のことを指します。この時代は、文学や芸術が栄えました。
- 国宝とは、文化財の中でも特に重要とされるもので、日本の法律により特に保護されています。建物や絵画など、価値の高いものが多く含まれています。
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