
今年は戦後から80年という特別な年です
日々の生活の中で私たちは過去を忘れがちですが、このような節目を通じて歴史を振り返ることは大切です
舞鶴市の舞鶴引揚記念館では、そこで生まれ育った「シベリア抑留」を経験された羽根田光雄さんの水彩画の展示会が行われています
この展示会では、羽根田さんが旧ソ連による抑留後、日本に帰国した際の思い出を描いた絵が50点展示されています
特に目を引くのは、仲間を埋葬する様子を描いた「亡骸(なきがら)を埋めに」です
この絵には「素肌で埋められるのはどんなに悔しいことだろう」とのメッセージが添えられ、羽根田さんの仲間に寄せる思いがひしひしと伝わってきます
さらに、「雁(がん)」という絵も、空を飛ぶ鳥の群れが描かれており、「俺たちが日本に帰れるのはいったいいつになるのだろうなあ」との言葉が印象的です
この言葉は、強制労働の中で仲間たちの思いを 胸に抱きながら描かれたもので、まさに彼らの深い想いが込められています
これらの絵は、2015年にユネスコの「世界記憶遺産」に登録された記念館の資料の一部です
今回、羽根田さんの作品が初めてすべて展示され、過去の苦しい体験を次の世代へと伝える重要な役割を果たしています
舞鶴引揚記念館の山下美晴さんは、「今年は戦後80年、引き揚げ開始から80年の節目の年です
作品を通して歴史を知り、平和の尊さを感じてほしい」とコメントしています
この展示会は4月20日まで開催されていますので、ぜひ訪れて過去の歴史に想いを巡らせてみてください
「シベリア抑留」とは、第二次世界大戦後、ソ連に抑留された日本人のことを指します。多くの人々が過酷な環境で暮らし、多くの仲間が命を落としました。その経験は歴史の中で今も語り継がれています。舞鶴引揚記念館では、そんな悲劇を忘れないために展示が行われており、見学者はその歴史に触れることができます。心に留めておきたい出来事です。
- シベリア抑留とは、第二次世界大戦後、日本の捕虜や一般市民がソ連に強制的に連行され、厳しい労働に従事させられたことです。多くの人が辛い体験をしました。
- 引揚とは、戦争や災害などによって他国に留め置かれた人々が無事に故郷へ帰ることを指します。特に戦後、日本人の引揚が重要な問題とされました。
- 世界記憶遺産とは、ユネスコが認定する重要な文化遺産のことです。文書や資料が持つ歴史的な価値を保護し、次世代に伝えるために登録されています。
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