京都市で進化するK式発達検査の現状と課題

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 心身の発達度合いをみるため、全国の福祉・医療施設や教育機関で使われている「新版K式発達検査」は、戦後に京都市児童院が作成したものです

昨年末に行われた報道によると、後継組織の児童福祉センターが検査結果報告書の中身を簡素化したため、保護者たちが困惑しているという声が寄せられています

ここ京都で生まれた「Kyoto式」の検査は、一体何が起こっているのでしょうか

「新版K式発達検査」の概要

 この検査は、1950年代に原型ができ、1980年に完成しました

発達状態をみるために、被検者は絵カードや積み木、人形などで遊び、その様子を心理職が観察します

その結果を基に、発達年齢や発達指数が算出されます

これにより、子ども一人ひとりの成長を支援するための方向性が見えてきます

検査の理念

 検査ではただ数値を求めるのではなく、子どもの様子を観察することが大切です

これは、後の支援につながる重要な情報となります

児童福祉センターでは、この理念をしっかりと受け継いでいます

検査結果の報告とその変化

 検査結果は保護者や子どもに対して、実施日に口頭で伝えられ、1か月後に書面で渡されます

しかし、最近の報告書が簡素化され、具体的な内容が減っていることが問題視されています

たとえば、2019年から2023年度の報告書では、21年度以降から説明が簡潔になり、具体的な情報が減少していることが確認されました

簡素化の理由

 この簡素化の背景には、検査待機期間の短縮があります

京都市では、検査を受けるまでに半年から8か月かかることがあるため、報告書を簡素化することで時間を短縮しようとしています

現在の待機期間は約2〜3カ月に縮まりましたが、保護者の理解度が下がることが懸念されています

改訂年度説明の量見直し理由
20年度以前千字程度通常の内容
21年度以降四分の一以下検査待機期間の短縮

 保護者からは「もう少し詳しく書いてほしい」という意見が多く寄せられています

また、保護者同士の情報交換も重要で、担当職員が増員されることも必要です

坪倉さんは、元の理念に近づける努力が求められると考えています

ピックアップ解説

K式発達検査は、心理職が子どもの遊ぶ様子を観察し、発達の状態を数値化するためのものです。この検査は、発達に課題がある子どもたちに必要な支援を提供するために重要です。1950年代に京都で始まり、以来多くの子どもたちを支えてきました。現在、多くの医療機関でも利用されており、その信頼性は高いです。興味深いことに、今でもこの方法に基づいて子どもたちの成長を見守る職員が多く存在しています。

キーワード解説

  • K式発達検査とは、子どもの心身の発達を評価するために設計された検査で、1950年代に京都市で開発されました。主に、遊びながら得られる情報を元に発達の評価を行います。
  • 児童福祉センターとは、子どもが心身ともに健やかに成長するための支援を行う施設です。ここでは、発達の相談や療育などが行われています。
  • 療育手帳とは、発達に課題のある子どもに対して交付される手帳で、その内容により適切な支援が受けられるようになります。

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