
最近、訪日客に大人気の「宇治抹茶」が、なんと品薄になっているんです
この現象は、新型コロナウイルス禍が治まり、抹茶の需要が急増したことが原因です
特に、店頭では抹茶の販売制限がかかり、インターネットでの販売が中止される店も増えてきました
宇治抹茶だけではなく、抹茶をたてるために必要な道具や缶も手に入りにくくなっています
例えば、京都市東山区にある竹専門店「京都三条竹松」では、国産の茶せん(茶をたてる道具)が不足しています
「問屋も『ない』と言われてしまう」と、店主がため息をついています
結果として、中国から輸入した茶せんを販売することになり、購入者の9割は外国からの観光客だそうです
その一方で、茶せん不足を解決しようと新商品を開発した企業もあります
愛知県にある「茶々助」では、紙の茶せんを開発しました
紙製の茶せんは持ち運びやすく、乾かせば15回ほど使えるという利点があります
その背景には、抹茶文化をもっと広めたいという思いがあります
さらに、抹茶を詰める缶も不足しています
京都府宇治田原町の木谷製茶場では、冬に抹茶缶が手に入らず、代わりに紙袋で販売することもあったそうです
「新茶が手に入っても、缶に詰めることができるか不透明」とのことです
大阪府内の製造業者も、抹茶の輸出が増え、特に輸出用缶の需要が急激に伸びているため、納品が6カ月以上遅れる時もあります
抹茶缶は特殊な形をしていて、国内で製造できるメーカーは限られています
海外向けは30グラム、国内向けは20グラムや40グラムのサイズが人気です
このような事情もあって、玉露や煎茶は飲まれる機会が減っているといいますが、宇治茶は日本の重要な文化です
宇治田原町の産業観光課は、「緑茶発祥の地」としてのPRを続けながら、今後も緑茶文化を守るための新しい対策を考える必要があるとしています
宇治抹茶とは、京都の宇治市で生産される高品質な抹茶です。宇治抹茶は碾茶(てんちゃ)を粉状にしたもので、すっきりとした味わいと鮮やかな緑色が特徴。茶道(さどう)でも広く使用され、世界中で人気が高まっています。近年、健康志向の高まりから、抹茶ラテや抹茶スイーツも多くの人に楽しまれています。そのため、需要が急増していて、日本文化の象徴ともいえる存在となっています。
- 茶せんは、主に抹茶をたてるための竹製の道具です。茶筅を使うことで、泡立ちの良い抹茶が楽しめます。
- 碾茶は、葉の形で蒸したお茶を乾燥させた後、粉状にしたものです。高品質な抹茶の原料となります。
- 宇治茶は、京都の宇治市で生産される緑茶のことです。風味が豊かで、特に抹茶や玉露が有名です。
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