最近、京都府が2025年度に向けた当初予算案を発表しました
来年の4月には任期満了を迎える西脇隆俊知事にとって、今回の予算は2期目の集大成とも言えるものです
この予算は、厳しい財政状況の中で、健康や子育て、災害対策など、京都の独自性をいかに示すかが課題となっています
一般会計は、前年度比で3.5%増の1兆298億円
新型コロナウイルスの影響で増加した対策費を除けば、これは過去最大の金額です
ただし、予算の自由度は限られています
歳出の中で社会保障関連費用が大きな割合を占め、丹後郷土資料館の改修や舞鶴署の建て替えなど、必要な施設の整備にもお金がかかります
今回注目すべきは新たな施策として提案された「京都版CDC(疾病対策センター)」の設立です
これは新型コロナウイルスの経験を生かし、次の感染症のリスクに備えるものです
専門家たちが連携し、実態を把握し、分析を行います
また、災害対策も強化されています
昨年の能登半島地震を教訓に、避難生活の環境を改善したり、孤立した地域への対応策としてヘリポートの設置が進められています
これにより、減災や救援体制をさらに整えることが目指されています
しかし、財源面では挑戦が続きます
府税収入が増加しているものの、それでも支出が大きく上回り、38億円の削減が必要です
具体的には、特別職や管理職の給与のカットや、府立施設の使用料の見直しが進められていますが、それでも185億円の不足が予想されています
特例的な地方債、「行財政改革推進債(行革債)」に頼る場面も多く、これに加えて水道事業会計の剰余金から20億円を借り入れる計画もありますが、これは将来的な負担となる可能性が高いです
また、向日市では新アリーナの建設計画もあり、348億円という大規模な事業が今後の財政に影響を与えることが懸念されています
一方で、京都市と連携して事業を進める「府市協調」の姿勢も目立ちます
妊娠や出産についての相談窓口を一本化し、観光客の分散にも協力しています
人口減少に対応した持続可能な行政へのサポートも重要です
最後に、予算案をチェックする府議会にも注目です
与党も野党も、事業の内容や費用対効果をしっかりと検討し、議論を重ねてほしいと思います
「京都版CDC」とは、感染症対策に特化した機関です。この機関は、京都府が新型コロナウイルスの経験をもとに設立を計画しており、専門家が連携して仕事をします。CDCは「Centers for Disease Control and Prevention」の略称で、アメリカの疾病対策センターをモデルにしているので、京都の新たな健康戦略になることでしょう。市民の安全を守るために、このような機関の必要性は高まっています。
- 行財政改革推進債(行革債)とは、地方自治体が行財政改革を進めるために発行する特例的な地方債です。通常の財源では賄えない事業のために使われますが、将来的には返済が必要です。
- CDC(Centers for Disease Control and Prevention)とは、アメリカの疾病予防管理センターで、感染症や公衆衛生の研究を行っています。これをモデルにした「京都版CDC」は、地域に即した感染症対策が期待されています。
- 府市協調とは、京都府と京都市が協力し合って行政を進めることを指します。妊娠や出産に関する相談窓口の一本化や観光施策の連携など、効率的な運営を目指しています。
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