
丹波地方と水墨画の組み合わせは、実に魅力的です
この25年間、私はそのことを実感してきました
桂川の東側に広がる田んぼが印象的な京都府南丹市八木町北広瀬には、2000年に私のアトリエを作りました
自宅がある右京区から通い続けていますが、創作の楽しさは尽きることがありません
水墨画は、墨の濃淡や紙の白を使って世界を描くアートです
一般的には、山や森は黒っぽく下の方に、空は明るい白で上の方に描かれます
でも、丹波の風景はちょっと違うんです!秋冬の朝霧のおかげで、下の方が白く、もやの薄い上部では山が黒っぽく見え、色の構図が逆転してしまうんです
「丹波の風景は特別で、他では味わえません
朝霧から漏れる光を見ていると、あっという間に時間が経ってしまうんです」と私も思います
朝霧に包まれた竹林や、保津川を下る船のしぶき、これらが水墨画の題材として私の作品に息づいています
私は京都生まれで、京都市立芸術大学で彫刻を学びましたが、イタリア・ミラノに留学した時に自分の限界を感じました
そんなときに出会った水墨画の魅力に、もう一度気づいたのです
1992年からは中国の中央美術学院で技術を学び、日本や中国の風景だけでなく、西洋の建物や現代生活も描いてきました
その結果、中国の北京でも個展を開き、評価をいただくことができました
昨年12月には、八木東小学校で水墨画を教える機会もありました
自ら見本を示すと、子供たちは竹やスズメなどを自由に描いてくれました
子供たちが描く姿に感銘を受け、初めて絵筆を握った5歳の頃を思い出しました
あの頃は、好きなものを技術に縛られず、一生懸命に描いていました
水墨画ではなくても構いません
丹波の豊かな自然を絵を通じて感じてほしいのです
私のアトリエに海外の友人が訪れると、自然の美しさに見とれている姿が印象的です
このかけがえのない自然に囲まれた地で、描く楽しさを多くの人と分かち合いたいと思っています
丹波地方は自然豊かな場所で、特に朝霧の風景が人々を魅了します。この朝霧の美しさがあるため、色合いが通常とは逆転し、雪をかぶった山パンのように見せます。これを利用して水墨画がさらに深みを持つのです。丹波の秋冬の朝霧に包まれると、まるで絵の中にいるかのような感覚を味わえます。
- 水墨画は、墨と水を使って描く日本の伝統的な絵画です。黒と白のコントラストが特徴で、自然の風景や動物を表現します。
- アトリエは、アーティストが作品を制作するための作業場です。自分のアイデアや技術を試すための特別な空間です。
- 朝霧とは、朝の冷たい空気で水蒸気が冷やされてできる霧のことです。この現象は特に秋や冬によく見られ、幻想的な風景を作り出します。
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