
南丹市美山町では、野生のシカが農作物や植物に被害を与える問題が深刻になっています
このデリケートな問題に対処するために、小島和幸さん(70)はシカの角を使って、アクセサリー作りを始めました
元市役所職員の小島さんは、退職後の新しい挑戦として、道の駅「美山ふれあい広場」などで販売される土産品を手がけています
彼が作るアクセサリーは、シカの角の独特な質感を生かした製品が魅力で、例えば、茶色と白のまだら模様を使って地元の動物であるオオサンショウウオやリスの姿を模したキーホルダーやイヤリングが人気を集めています
小島さんの作業は、自然の素材に対する愛情と敬意から生まれています
シカの角を使った工芸品作り
シカの角を利用することで、様々な作品が生まれています
最近では、電動工具を使って角の形を加工し、耳の長いウサギや、観光客の無事を願ったカジカガエル、さらに細かな透かし彫りを施したメダル型の作品も手がけています
これらはただの工芸品ではありません
命を尊重しつつ、資源を最大限に活用することで地域の一助となることを目指しています
地域振興と工芸品の魅力
美山町は自然豊かな地域で、観光名所としても知られています
シカの活用が進むことで、地域の振興に貢献できると小島さんは考えています
「シカは幸運の象徴です」と話す小島さんは、シカの角を使って命を生かすことに情熱を注いでいます
地元の新たな名物
これらの作品は、道の駅や、京都丹波高原国定公園ビジターセンターで販売されており、訪日観光客にも好評です
地元の人々は、シカの角を使った美しいアクセサリーとして新たな魅力を発見し、地域の良さを再認識しています
小島さんの活動は、地域社会に新しい息吹をもたらし、多様な文化や価値観を育んでいます
これからも、シカとの共生を築いていくため、小島さんの作品が広がることを期待せずにはいられません
シカの角は、ただの廃棄物とされがちですが、実は非常に優れた素材です。シカは年に一度角を生え替え、新しい角を形成します。このため、収穫した角は環境への負担も少なく、自然の一部として再利用することができます。工芸品として生まれ変わることで、シカの命が無駄にならず、多くの人に愛されるようになるのです。
- シカとは、草食性の哺乳類で、日本国内に生息する種類にはニホンジカがいます。彼らは森や山間部に生息し、植物を食べる一方で、農作物に被害を与えることもあるため、その管理が重要です。
- 工芸品とは、職人の技能によって作られる美しい実用品のことです。特に伝統的な技法を用いたものが多く、地域の文化や歴史が反映されています。
- 地域振興とは、地域の経済や文化を活性化させるための活動のことです。地元特産品の販売や観光振興など、地域の魅力を引き出すことを目指します。
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