
京都府南丹市園部町天引の住民たちが、地域の歴史をつづった新しい冊子、「天引に生きる」を発刊しました
これは、地域の人々が自分たちの昔の暮らしを振り返り、今を生きる私たちにその知恵を伝える素晴らしい取り組みです
冊子では、戦後の自給自足に近い生活や、1970年代にかけての急速な近代化についての貴重な情報が盛りだくさんです
この冊子は、天引区の住民組織「天引区の活性化と未来を考える会」と協力し、地域の高齢者からのインタビューを基にしています
特に80代の方々からの話を取り入れ、1960年からの地元の男性の日記も参考にしながら、近現代の生活の様子を詳しく調査しています
昔の山仕事についての解説では、しば刈りや炭焼きなどが取り上げられており、当時の人々がいかに技術を駆使して付加価値の高い商品を生み出していたかが分かります
また、奥山の地名も地図に記載されており、広大な山林が彼らにとっての生活圏であったことが示されています
戦後には、さまざまな変化がありました
1956年には、全国に先駆けて簡易水道が引かれ、「つるべで水をくむ」という苦労が減ったという喜びの声も紹介されています
しかし稲作の効率化は進んでも、住民たちはあれこれと支出が増え、「肥料及び機械等を買うと食べるだけの百姓だ」というつらい現実も綴られています
また、かつて存在した産業の施設、たとえばマツタケ集荷所やタバコの葉の乾燥庫などの地図も作成され、一人一人の労働の記録が個人名と共に記されています
聞き取りに協力した88歳の男性は「幼い頃を思い出し、話すのは楽しかった
これが次世代の参考になれば」と語りました
また、編集に携わった81歳の男性は、「多様な課題に向き合ってきた村づくりが分かった」とその成果を振り返りました
この冊子はA4判75ページで、価格は1冊500円です
興味のある方は、原田久さん(電話: 0771-65-0152)までお問い合わせください
「天引」とは、南丹市の園部町にある地名で、美しい自然環境と豊かな歴史が魅力です。この地域は、周囲の山々に囲まれており、かつては自給自足的な生活が営まれていました。「天引に生きる」冊子には、そのような昔の生活や産業の姿が詳しく描かれており、現代に生きる私たちにも参考になる情報が含まれています。確かに今では、私たちの生活は便利になったけれど、もし昔の知恵や技術を学べば、より豊かに過ごせるかもしれませんね。
- 南丹市は、京都府の南部に位置し、自然に囲まれた美しい街です。多くの伝統や歴史が残っており、観光地としても注目されています。
- 自給自足とは、自分たちの生活に必要なものを、自分たちで作ったり収穫したりすることを指します。これにより、経済的な負担が軽減できるという利点があります。
- 地域活性化とは、地域住民や企業が協力して地域の資源を活かし、経済や文化を振興する活動のことです。地域の魅力を再発見することが重要です。
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