
最近、京都市左京区にある東山高校で、男らしさや女らしさにとらわれず、自分らしく生きるための「ジェンダー平等教育」が進められています
この学校では、1年生の生徒たちが実際に男女格差や性の問題について学んだり考えたりする授業を行いました
これは、進学を目指す男子校ではあまり体験できない教育であり、特に注目すべき取り組みなのです
昨年11月、東山高校の生徒たちはアクティブラーニングの授業で、男女平等や性に関する自己決定権についての発表を行いました
女子校ではこれらの話題が積極的に取り上げられていますが、男子校では授業が少なく、単発の講演会が唯一の機会でした
この授業では、洛星中学高校から招かれた教員の田中めぐみさんが講師を務めました
彼女は、生物学的な性差(セックス)と、社会や文化によって作られる性差(ジェンダー)について詳しく説明しました
「人権は、思いやりよりもまず知識が大切」と、現実を知る重要性についても強調しました
授業の中で示されたデータにより、男女の給与差が明らかになりました
同じ大学の学位を持っていても、女性が妊娠や出産などのライフステージを迎える30歳頃から、男女の給与差が広がっていくことが分かりました
授業では、クラス全体でボールを投げ入れる実験が行われ、一見簡単そうなこの行為が、実は男女の特権についての気づきをもたらしました
成功するのは前列に座っている生徒が多いため、全員的に公平性が欠けていることに生徒たちが気づくことが目的だったのです
授業後の感想にも、男子中学生の一人が「性差について考えたことが無かった」と述べたり、他の生徒が「男女の格差を気にしなければならないと考えた」との感想を持ったことが伝えられています
これは、今後の社会を考える上でとても大切な第一歩です
次の授業では、興味を持ったジェンダーに関するトピックを各自が調べ、代表生徒が発表した結果、男女の賃金差やオールジェンダートイレについての意見が交わされました
これにより、生徒たちが男子校での授業を通じて感じたことを深く考えるきっかけとなりました
男性教員が自身の経験を共有する場面もあり、彼らは自らの性別に関する悩みを正直に話し、学校全体でこの問題に対する理解を深めることが求められています
「ジェンダー」とは、社会や文化が作り出す性別の役割のことで、単に生物学的な性とは異なります。例えば、男は仕事をし、女は家事をするという固定観念があるのですが、これがジェンダーによる考え方の一例です。このような考え方があるために、男女の間での役割に偏りや差別が生まれることがあります。この状況を改善するためには、お互いの理解を深めることが大切です。
- 男女格差とは、男女間における資源や機会の不平等を指します。特に職場での給与や昇進の機会、教育へのアクセスなどにおいて顕著です。
- オールジェンダートイレとは、すべての性別に対応し、誰でも利用できるトイレのことです。性別にかかわらず誰もが安心して使えることが目的です。
- アクティブラーニングとは、生徒が自ら積極的に学び、問題解決に取り組む学習スタイルです。従来の授業に比べ、生徒の主体性が重視されます。
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