京都大学と沖縄県今帰仁村の間で、非常に重要な文化財に関連する問題が進行中です
最近、京都大学が沖縄の指定文化財である風葬墓「百按司(むむじゃな)墓」から、戦前に研究目的で持ち出された遺体が、少なくとも26体が公表されずに移管されたことが明らかになりました
興味深いことに、実際には150体以上の遺体が京都帝国大学によって持ち出されており、移管されたのはその一部に過ぎません
また、奄美諸島(鹿児島県)の遺骨269体の保管状況も全く開示されていない状況です
地元の住民たちは、京都大学に対して返還を求める質問状を提出しています
特に喜界島の住民は、京都大学に対して遺骨の保管状況の開示や、当時の法律に照らし合わせて倫理的な問題がないかを問いかけています
喜界島は、14世紀から琉球王朝に支配され、近世には薩摩藩に統治されてきた歴史ある場所です
この遺骨収集に関する経緯は、京都大学の清野教授が三宅講師を派遣し、35年前に徳之島や喜界島で遺骨を収集したというものです
清野教授が著した「京大人骨目録」には、喜界島から収集された99体の遺骨が記載されています
驚くことに、喜界島の伝統的な墓所「ムヤ(モヤ)」は、故人を洞窟に風葬し、再葬する方法が長年受け継がれています
今回の報道を受けて、喜界町の議員である良岡理一郎さんは、「遺骨問題は喜界島の先人たちに関わる重要な尊厳の問題であり、町議会でも議論すべきである」と指摘しています
さらに、2022年には京都大学総合博物館に対し、保管している遺骨の数や収集の法律的な正当性について質問状を送付しました
この質問に対する回答は、大学側が調査を進めており、今月中に結果を出す見通しです
「ムヤ(モヤ)」とは、喜界島など南方諸島で行われる伝統的な風葬の方法を指します。この方法では、故人を洞窟に安置し、周囲の人々がお供えをし、故人を静かに見守りながら供養する文化があります。特に喜界島では、この伝統が脈々と受け継がれており、地域の人々にとって非常に大切な習慣となっています。また、その場所は、洞窟という自然の一部を用いるため、故人が自然と一体となることを意味することもあります。
- 遺骨とは、亡くなった人の骨のことで、火葬や風葬等の手段で残った骨を指します。
- 文化財とは、歴史的、文化的に重要な価値を持つ物品や建物のことを言い、国や地域が保護しています。
- 風葬とは、自然の風に当てて遺体を処理する葬送の方法で、特に琉球諸島などで行われてきました。
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