
ウシやヤギ、バッタにヘビ、ネコと、様々な生き物をカラフルでメルヘンな人形に仕立てるのは、宇治市在住の人形作家、岡本千鶴さん(63歳)です
彼女は、長年の介護の仕事を経て、60歳を過ぎた今、自分にしか作れない作品を通じて人々を楽しませたいという思いを抱いています
岡本さんは宇治市大久保町で生まれ育ち、幼稚園児の頃から絵を描くことが大好きでした
中学・高校では美術部に所属し、油絵を制作
美術の道を考えたこともありましたが、結婚や育児、仕事に追われる日々を送りました
それでも地元の絵画サークルには参加し、風景画や人物画を描いてきました
転機が訪れたのは5年前
自分の絵に対して「面白くない」と感じ、思い切って嫌いだった虫や爬虫類を題材にしたところ、素晴らしい作品が完成し、新聞社主催のコンクールでも評価を受けました
「描いた絵を立体化すれば、もっと楽しさが伝わるはず」との思いから、3年前に人形作りを始めました
作品は少女漫画のような星の目と、カラフルな色使いが特徴です
「見た人が元気になってほしい」と願いを込める岡本さんの作品には、心がこもっています
これまで、大小約200の作品を制作し、宇治市内のマルシェで出品しています
「かわいい」「個性的」と好評で、店舗名は「劇団ロアンヌ」
これは市の起業支援講座で学んだブランディングの知識を生かして考案したもの
実際には劇団ではないものの、人形たちのにぎやかな雰囲気を伝えるための工夫です
介護ヘルパーとして働いていた岡本さんは、40歳を過ぎてから忙しい日々を送りましたが、2年前に退職し、今は福祉関係のアルバイトをしながら創作活動に力を注いでいます
「人のまねではなく、唯一無二の作品を作りたい」と意気込む岡本さん
優しい笑顔の裏には、創作に対する強い情熱が見えます
「美術部」とは、中学や高校で美術を学びながら活動する部活動のことです。部員は絵やデザインを制作し、時には展覧会を開くこともあります。美術の技術を磨くことで、将来の進路にも影響が出ることがあり、上手な部員は美大への進学を目指すこともしばしばです。岡本さんも美術部での経験が作品に活かされており、今の創作活動につながっています。
- 介護とは、高齢者や障がい者の日常生活を支援することです。食事や入浴、排泄など、身体的なサポートだけでなく、精神的な支援も大切です。
- マルシェとは、地域の市場やフリーマーケットのことです。新鮮な食材や手作りの品など、地元の人々が集まって販売する場所です。
- ブランディングとは、商品やサービスの認知度やイメージを高めるための戦略や活動のことです。人々にいい印象を持ってもらうために工夫を凝らしています。
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