京都市の避難所、受け入れ人数の再計算が必要に

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 京都市の指定避難所について、実際には公表されている受け入れ人数の約4割の避難者しか受け入れられないことが明らかになりました

この調査は、右京区の嵐山学区の自主防災会が行いました

避難所の実際の使用可能面積を確認したところ、避難所として使えないスペースが多数あり、受け入れ可能人数に大きな影響を与えていることが分かりました

 公表されている避難所の面積の計算方法には、動かせない机や通路などのデッドスペースが含まれていませんでした

デッドスペースとは、役に立たない場所という意味で、実際に使用できる床面積からこれらの場所を引くと、計算された受け入れ人数が大きく減少してしまうのです

調査の具体的な結果

 嵐山学区の自主防災会は、昨年の9月から11月にかけて、指定避難所の嵐山小学校を2回に分けて計測しました

計測の結果、避難所の面積計算に使われていたのは、壁や柱の中心線で囲った「壁芯面積」であり、実際に使用できる「内法面積」とは異なることが判明しました

この違いにより、内法面積で計算すると、元々公表されていた有効面積の6%も減ってしまったというのです

避難所の問題点と今後の課題

 さらに、校舎内では動かせない机や倒れると危険な水槽、薬品や工具などが置いてある部屋があり、これらも使用できない場所に該当しました

こうしたデッドスペースを除くと、使える面積は公表値の76%まで減少し、通路を確保するとさらに3割減ってしまったのです

 市は避難者1人当たりの必要スペースを2平方メートルと設定し、嵐山小の受け入れ可能人数を1214人と計算していましたが、自主防災会の測定結果を考慮すると、実際には453人にしかなりません

これは、学区の住民のおよそ1割しか避難できない可能性があることを意味します

市の見直しと今後の対応

 嵐山学区の自主防災会の副会長、四方氏は、「使用できるスペースが思ったよりも少なかった」と述べ、市に収容人数の見直しを求めました

他にも、さまざまな小学校で似た調査結果が得られています

そして、最大の被害が予想される花折断層帯地震では、京都市は最大16万5千人の避難者が出る可能性があると考えています

 これに対して、京都市は改めて計算し直すことを検討する意向を示しています

避難所に必要なスペースの国際基準も考慮し、正確な受け入れ人数の把握が急務です

市民の安全を守るため、避難所の管理の見直しが求められています

ピックアップ解説

避難所のデッドスペースとは、災害時に避難所として使えない場所を指します。例えば、固定された机や設備、大きな水槽などです。これらは、一見すると必要なスペースのように思えますが、避難者が安全に過ごすために確保するべきスペースを圧迫してしまいます。災害時には、すべての人が安心して過ごせる場所が必要ですので、こうしたデッドスペースの理解と対策が求められています。

キーワード解説

  • デッドスペースとは、役に立たない、または使用できない空間のことで、避難所では特に重要な問題です。避難者が安全に過ごせるエリアを減らす要因となり、実際の受け入れ能力に直接影響を与えます。
  • 自主防災会とは、地域住民が自ら参加して地域の防災対策を考え、実施する団体のことです。災害時に地域で自助・共助の力を高めるため活動しています。
  • スフィア基準とは、国際的に認められた人道的支援のガイドラインのことです。避難所での必要なスペースや条件を示し、援助活動の質を向上させるための指標となります。

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